2023年度第1回北総文化研究会が行われましたNEWS & TOPICS
NEWS溝田 俊之
6月16日(金)17時より本学の北総文化研究センターが主催する2023年度の第1回北総文化研究会が行われました。
演者は、専門が社会学・民俗学の岡庭義行先生で、発表のタイトルは「先住民であり先住民でない人々」でした。
北米のアラスカにはチムシアンと呼ばれる先住民族がいます。彼らは19世紀末にカナダのブリティッシュ・コロンビアから移住してきた人々で、キリスト教宣教師により、カナダから連れてこられ、独自の社会を作りました。彼らは 1971 年に発効した「アラスカ先住民土地請求権解決法(ANCSA)」の法的適用の外側にいることを自ら選択し、自力で生きる方向を選んだたため、ANCSAの定義では「先住民でない人々」ということになるのです。
研究会では、彼らの文化と生活を紹介し、エクソン・バルディーズ号の原油流出事故による海洋汚染と、汚染除去作業への従事やコミュミティ経済の変質等、この事故が彼らの生活に及ぼした影響など、苦難の歴史が語られました。
発表後には、聴衆から質疑が続き、開催時間が足りないと感じたほどでした。
北総文化研究会は、発表20分と質疑40分の合計60分で構成され、年に3〜4回開催されています。質疑の時間を多く持たせることで、参加者に活発な意見交換を促すことを目的としています。
次回は8月に行われる予定です。